全自動免疫測定装置「HISCLシリーズ」用の測定用試薬
エーザイ株式会社の診断薬事業子会社であるエーディア株式会社は9月10日、間質性肺炎診断補助試薬「HISCL KL-6試薬」を9月16日に発売すると発表した。
同試薬は、シスメックス株式会社が製造販売する全自動免疫測定装置「HISCLシリーズ」で測定可能な、間質性肺炎診断補助マーカーKL-6測定用試薬。エーディアとシスメックスとの契約に基づいてシスメックスが設計開発を行い、エーディアが製造販売元となり、エーザイと販売提携を実施する。製造は、シスメックスの関係会社であるシスメックス国際試薬株式会社が行うという。
KL-6(シアル化糖鎖抗原)は、間質性肺炎に特異性の高いマーカー。間質を構成する細胞上に存在し、間質性肺炎になるとその濃度が上昇する。KL-6は血中に滲出するため、間質性肺炎の診断では血液中のKL-6濃度が重要な判定基準の1つになっている。現在、エーディアは、KL-6測定試薬として「ピコルミ KL-6」(電気化学発光免疫測定法)、「ルミパルス KL-6エーザイ」「ルミパルスプレストKL-6エーザイ」(全自動化学発光酵素免疫測定システム用)および「ナノピアKL-6エーザイ」(生化学自動分析装置用)を販売している。
検体吸引から測定結果表示まで約17分という短時間で測定が可能
「HISCLシリーズ」は、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA:Chemiluminescence Enzyme Immunoassay)を用いた全自動免疫測定装置。酵素を使用した化学発光法により検体中の微量物質を測定し、検体吸引から測定結果表示まで約17分という短時間で測定できることを主な特長としている。肝炎、感染症、がん、HIV、心不全などの検査に加え、近年は肝線維化マーカー試薬やアトピー性皮膚炎マーカー試薬などの試薬製品のラインアップを充実させており、幅広い検査施設で利用されている。
間質性肺炎は、肺胞の壁(間質)に炎症を起こす肺炎で、原因はさまざまだが、近年、代表的な疾患の1つである薬剤性肺炎の報告症例が増加しており、その重要性と社会的関心が高まっている。同社は、今回発売した同試薬が間質性肺炎の診断補助に活用されることにより、患者のベネフィット向上に貢献したいとしている。
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・エーディア株式会社 プレスリリース