欧米など約90か国では同適応症で承認済み
Meiji Seikaファルマ株式会社は9月11日、アッヴィ合同会社と共同販売している「フルボキサミンマレイン酸塩」(販売名:ルボックス/アッヴィ、デプロメール/Meiji)の小児の強迫性障害患者を対象とした臨床第3相試験について、10週間投与の二重盲検比較試験の結果を発表した。
フルボキサミンは、1999年に日本で最初のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)として発売し、成人に対する「うつ病・うつ状態」、「強迫性障害」並びに「社会不安障害」の適応で販売されている。同剤は、日本を含む約100か国以上で販売されており、小児強迫性障害に対する適応は、欧米など約90か国で承認されているものの、日本では承認されていなかった。
JCY-BOCSの総スコアにおける変化量に有意差
両社は「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」における検討の結果、医療上の必要性が高いという評価が得られたことから、厚生労働省より開発の要請を受け、2013年8月より「SME3110(フルボキサミンマレイン酸塩)の小児強迫性障害患者を対象とした臨床第3相試験」を日本国内にて開始していた。
同試験では、まず小児の強迫性障害患者に、フルボキサミン又はプラセボを10週間投与し、小児用Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale 日本語版(JCY-BOCS)の総スコアの投与開始時と最終評価時との変化量を比較し、無作為化二重盲検法による有効性の検証と、安全性を検討した。
その結果、フルボキサミン投与群はプラセボ投与群に比較して、主要評価項目であるJCY-BOCSの総スコアにおける投与開始時と最終評価時の変化量に有意な差が認められたという。また、安全性において特に問題となるような事象は観察されなかった。
長期投与の試験は継続中だが、出来るだけ早期に日本国内における本剤の小児強迫性障害の適応取得を目的とした製造販売承認申請を行っていきたい考えだ。
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・Meiji Seikaファルマ株式会社 プレスリリース