EGFR遺伝子変異を有する進行・再発非小細胞肺がん患者を対象に
日本イーライリリー株式会社は、EGFR遺伝子変異を有する進行・再発非小細胞肺がんの初回治療の患者を対象とした東アジア共同無作為化第2相試験であるJMIT試験の結果を、9月6~9日に開催された第16回世界肺がん学会において発表。9月10日付けのプレスリリースで、その内容を公表した。
JMIT試験は、EGFR遺伝子変異を有する進行・再発非小細胞肺がんの初回治療の患者を対象に、「アリムタ(R)」(一般名:ペメトレキセド注射剤)+ゲフィチニブ群と、ゲフィチニブ群を比較する東アジア共同無作為化第2相試験。日本人を含むアジア人を対象とした試験で、191名の患者を無作為に割り付けて実施された。内訳は、アリムタ+ゲフィチニブ群126例、ゲフィチニブ単剤65例となっている。
併用療法群が、無憎悪生存期間の中央値を延長
無増悪生存期間の中央値は、対照群であるゲフィチニブ単剤では10.9か月であったのに対し、アリムタとゲフィチニブの併用療法群においては15.8か月だったという(ハザード比:0.68(95%信頼区間(CI)0.48-0.96、p=0.014(片側検定))。
重度な(グレード3/4)有害事象は、アリムタ+ゲフィチニブ群の方が多く認められた。アリムタ+ゲフィチニブ群の有害事象では下痢、アスパラギンアミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇、ざ瘡様皮膚炎、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇などが認められたという。また、治療関連死がアリムタ+ゲフィチニブ群で2例起こったとしている。
アリムタは、2004年2月に米国で悪性胸膜中皮腫に対して初めて承認を取得。非小細胞肺がんに対しては、同年8月に米国で承認されて以来、世界94か国で承認されている。日本においては、2007年1月に「悪性胸膜中皮腫」の効能・効果で承認を取得。その後、2009年5月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能・効果で承認を受けている。
今回のJMIT試験の結果について同社は、肺がん領域におけるエビデンス構築における継続的なコミットメントを深めるものだと述べている。
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース