■医療スタッフの対応を評価
厚生労働省は8日、医療機関で受けた診察に対する満足度などを尋ねた「2014年受療行動調査(概数)」の結果をまとめ、公表した。入院患者の満足度は66.7%と過去最高となり、看護師など医療スタッフの対応が患者の満足度を高めていることがうかがえた。また、外来患者の診察時間を見ると「3~10分未満」が51.2%と最も多かったが、「20~30分未満」「30分以上」を合わせた20分以上の割合も増え、過去最高となった。
調査は、全国の医療施設を利用する患者について、受療状況や受けた医療に対する満足度などを把握し、患者の医療に対する認識や行動を明らかにすることを目的に、3年に1度実施しているもの。
その結果、外来患者の診察までの待ち時間と診察時間を見ると、待ち時間は「15分未満」が25.0%と最も多く、次いで「15~30分未満」が24.0%、「30分~1時間未満」が20.2%と、1時間未満の待ち時間の割合が多かった。
診察時間は、「3~10分未満」が51.2%と最も多く、次いで「3分未満」が16.5%、「10~20分未満」が13.8%となったが、「20~30分未満」が6.3%、「30分以上」が4.2%と、20分以上の診察時間の割合も10.5%と過去最高となった。
外来患者の診察時間の年次推移を見ると、「3分未満」と「3~10分未満」の合計が6~7割程度で推移しているが、20分以上の割合も増えており、厚労省は「患者に応じて適切に診察できているのではないか」と分析している。
外来患者の病院に対する満足度を見ると、全体的に「満足」していると回答した外来患者は57.9%となった。項目別では、「医師以外の病院スタッフの対応」が58.3%、「医師との対話」が55.8%、「医師による診療・治療内容」が53.9%、「診察時のプライバシー保護の対応」が50.6%と5割を超えたものの、「診察までの待ち時間」は満足の割合が3割弱にとどまった。
また、入院患者の病院に対する満足度を見たところでは、全体的に「満足」していると回答した入院患者は66.7%となり、過去最高の満足度の高さとなった。項目別に見ると、全ての項目で満足の割合が高く、「医師以外の病院スタッフの対応」が69.3%、「医師による診療・治療内容」が69.1%と約7割に達し、「医師との対話」も64.8%と高い満足度を示す結果となった。