Vantage Titan 3Tの臨床機能を大幅に強化
東芝メディカルシステムズ株式会社は9月8日、3テスラMRIシステム「Vantage Titan(TM) 3T iS Edition」(バンテージ タイタン スリーティー アイエス エディション)のグローバル販売を順次開始すると発表した。
画像はリリースより
東芝の3テスラMRIシステムVantage Titan 3Tは、「Everyday Clinical Use」をコンセプトにRF送信技術Multi-phase Transmissionを搭載することで、従来3テスラMRI装置では困難とされていた躯幹部の検査を可能とした。今回発売したiS Editionでは、3テスラMRI装置のさらなる普及のために、「洗練された高品質な画像」、「検査効率の最大化」、そして「安心で確実な検査」をキーワードにVantage Titan 3Tの臨床機能を大幅に強化しているという。
臨床現場のニーズに応えるため、最新のソフトウェアを搭載
これまでは、大口径化や傾斜磁場出力増加により、撮像中の傾斜磁場コイルの発熱と振動が増幅され、画質に悪影響を与えていた。2014年11月に販売開始したSaturn Gradientで採用した新型傾斜磁場コイル機構では、高い冷却能力と振動抑制技術により、発熱による中心周波数の変動と振動による信号の分散を信号レベルで抑制。これにより洗練された高品質な画像を安定して得ることが可能となった。また、フレキシブルなパラメータ変更で装置性能を最大限に引き出す新シーケンス制御機構により、T2*(ティーツースター)値の短い組織を画像化する手法UTE(Ultra short TE)の撮像も可能に。UTEにより従来MRIでは困難であった部位の画像化が可能となり、肺野領域などの検査において新たな可能性が広がるという。
また、全身のあらゆる部位の撮像をアシストすることで、検査効率の最大化を実現。頭部、心臓、脊椎の形状を解析し、診断に必要な断面の位置決めアシストする機能(EasyTech)を拡充させ、検査効率と再現性を両立させる。新しいEasyTechでは、進化した頭部位置決めアシスト機能NeuroLine+、心臓位置決めアシスト機能CardioLine+ 、脊椎位置決めアシスト機能SpineLineを搭載。CardioLine+では、心臓左室の基本6断面設定に加えて右室と弁及び流出路の8断面も設定可能になった。さらに新たに搭載されたSURE VOI(TM)アプリケーションでは、被検者の心臓位置を解析・自動認識し、より簡便で再現性の高い効率化されたワークフローを提供するという。
さらに、登録されているソフト以外は動かない、ホワイトリスト方式セキュリティシステムを搭載。また、万が一のシステムトラブルに対するアラート機能の強化や、ハードウェアを迅速にリセットする機能等を新たに追加することで、従来からのリモートメンテナンス機能とあわせ、ダウンタイムを最小化するという。
これら最新のソフトウェアの搭載により、安心で質の高い、高効率な検査環境を実現するとしている。
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・東芝メディカルシステムズ株式会社 ニュースリリース