抗炎症作用を持つ核酸医薬NF-KBデコイオリゴを塗布
アンジェスMG株式会社は9月7日、メディキット株式会社と共同開発中であるNF-KBデコイオリゴ塗布型PTAバルーンカテーテルの国内治験において、最終被験者の観察期間が終了したことを発表した。
人工透析の透析シャントや動脈硬化症などの末梢血管内治療法で使用される現在のPTAバルーンカテーテルは、再狭窄率が高い。医療現場においては再狭窄予防が期待できるPTAバルーンカテーテルの開発が強く望まれている。
NF-KBデコイオリゴ塗布型PTAバルーンカテーテルは、NF-KBデコイオリゴをホソカワミクロン株式会社のPLGAナノ粒子に封入し、メディキットのPTAバルーンカテーテルに塗布したもの。バルーン部の外表面に抗炎症作用を持つ核酸医薬NF-KBデコイオリゴを塗布することで、バルーン拡張によって引き起こされる血管炎症の抑制、血管の再狭窄までの期間延長、及び外科的手術の回避が期待されるという。同社とメディキットは、世界で初めての抗炎症薬塗布型PTAバルーンカテーテルを目指して、同製品を開発中だ。
2016年前半に国内製造販売承認の申請を行う見込み
今回終了を発表した治験は、透析シャント静脈狭窄病変を有する患者を対象に、既存のPTAバルーンカテーテルと比較することで、同製品の安全性と有効性を実証する試験。同社およびメディキットは、2012年9月から同治験を国内で実施し、症例登録が完了したことを2015年1月に発表していたが、この度、全被験者の観察期間が終了したという。
同治験は主要な試験(ピボタル試験)であり、今後は各被験者のデータを回収し、統計解析を実施。良好な結果が得られた場合には、2016年前半に国内の製造販売承認申請が行われる見込みとしている。
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・アンジェスMG株式会社 ニュースリリース