重症心不全の病態改善に期待
テルモ株式会社は9月2日、再生医療等製品として申請していた骨格筋芽細胞シートが、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会で審議され、条件及び期限付承認が了承されたと発表した。
画像はリリースより
骨格筋芽細胞シートは、患者の大腿部より筋肉組織を採取し、組織内に含まれる骨格筋芽細胞を培養してシート状にした再生医療等製品。シートを傷んだ心筋の表面に移植することで、重症心不全の病態改善が期待できるという。この細胞は患者自身から採取する自家細胞のため拒絶反応がないとされる。
NEDOプロジェクトとして、大阪大学と共同研究
この骨格筋芽細胞シートの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとして、2007年より大阪大学の澤芳樹教授が開発を進め、臨床研究を実施していた。テルモは、大阪大学との共同研究を進めており、先端医療開発特区「スーパー特区」の「細胞シートによる再生医療実現プロジェクト」に参加している。
2012年には国内3医療機関で治験を開始し、2014年に治験は完了。2014年10月30日に、虚血性心疾患による重症心不全を対象に、厚労省へ再生医療等製品として、製造販売承認申請を行っていた。同製品は、心不全治療の新たな治療選択肢になるとして注目されている。
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・テルモ株式会社 プレスリリース