日本における開発・商業化に関する独占的ライセンス契約
英国のアストラゼネカは9月2日、同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンが、鼻腔噴霧4価インフルエンザ弱毒生ワクチンの日本における開発・商業化に関する独占的ライセンスを第一三共株式会社に供与する契約を締結したことを発表した。
鼻腔噴霧4価インフルエンザ弱毒生ワクチンは、米国では「FluMist(R) Quadrivalent」、欧州では「Fluenz Tetra(TM)」の製品名で販売されている、最も広範に入手可能な4価インフルエンザ弱毒生ワクチン。経鼻噴霧型で、インフルエンザ予防のための4種類のインフルエンザワクチン株を含有している。2003年に米国で最初に承認され、その後、他のグローバル市場においても承認された。最初の承認以降、世界中で1億回超の投与量が供給されたという。
インフルエンザ弱毒生ワクチンは、英国、カナダ、イスラエル、フィンランド、スウェーデン(高リスクを有する個人)およびドイツ(高リスクを有する個人)において、優先的に推奨されている。米国でも4価インフルエンザ弱毒生ワクチンは、2~49歳の人に一般的に推奨されているという。
米国や欧州ではすでに発売、日本でも承認申請を準備中
国内においては、同ワクチンの日本の小児・青少年を対象とする第3相安全性・有効性試験が2014~2015年のインフルエンザ流行期に実施され、日本における承認申請を準備中だ。
今回の契約に基づき、第一三共はアストラゼネカに対し契約一時金ならびにその後の開発および売上に関連したマイルストン費用を支払う。第一三共は日本における同ワクチンの今後の開発・商業化に関する全責任を持ち、販売承認を保有。一方、アストラゼネカは第一三共に対し同ワクチンを供給する責任を持つとしている。
アストラゼネカ株式会社の代表取締役社長のガブリエル・ベルチは、今回の契約締結についてプレスリリースで、「海外ですでに多くの小児・青少年に使用されている本ワクチンを、第一三共により国内で商業化・販売できることをうれしく思います」とコメント。第一三共が有する革新的なワクチンの開発および商業化における専門性によって、同ワクチンを日本のより多くの小児に確実に届けることができるだろうと述べている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース