2012年9月に悪性神経膠腫を効能・効果として承認
エーザイ株式会社は9月2日、抗悪性腫瘍剤「ギリアデル(R)脳内留置用剤7.7mg」(一般名:カルムスチン)について、同剤の承認条件となっていた全例調査に関し、厚生労働省から解除の通達を受けたことを発表した。
同剤は、2012年9月に悪性神経膠腫を効能・効果として承認され、その際の承認条件として「国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」という条件が付されていた。
安全性、有効性データに基づき承認条件を解除
今回の承認条件解除は、同社が厚生労働省に提出した安全性および有効性データ(安全性解析対象症例558例、有効性解析対象症例536例)に基づいて、承認条件を満たすと判断されたことによるもの。
同剤は、ニトロソウレア系アルキル化剤であるカルムスチンを生体内分解性のポリマー基剤に含有した、国内で唯一の脳内留置用の徐放性製剤。悪性神経膠腫の切除術後の残存腫瘍近辺に、同剤を留置することにより、術直後から腫瘍細胞に直接、高濃度の抗悪性腫瘍剤を一定期間にわたり効率よく曝露させるため、術後療法(放射線療法、化学療法など)開始までの治療空白期を埋めることができ、残存腫瘍縮小や増殖抑制効果を発揮することが期待できるという。
同剤は、同社が製造販売し、ノーベルファーマ株式会社と共同でプロモーションを行っている。
▼関連リンク
・エーザイ株式会社 プレスリリース