ブリストルと小野薬品による共同販売を予定
ブリストル・マイヤーズ株式会社は8月31日、ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体「ヤーボイ(R)点滴静注液50mg」(一般名:イピリムマブ(遺伝子組換え))の発売を発表した。同剤は、2013年3月に悪性黒色腫を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品の指定を受け、2015年7月3日に根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として製造販売承認を取得していた。
画像はリリースより
同剤は、米国のブリストル・マイヤーズ スクイブと小野薬品工業株式会社が共同で販売していく予定。世界に先駆けて日本で承認されたヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ」に続き、ヤーボイが発売されたことで、ブリストル・マイヤーズ スクイブと小野薬品は、両社が日本において開発・販売する免疫チェックポイント阻害薬を2剤持つことになった。
世界で初めて承認された免疫チェックポイント阻害薬
ヤーボイは、近年がん治療において大きな注目を集めているがん免疫療法と呼ばれる免疫チェックポイント阻害薬として、世界で初めて承認された薬剤。根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした海外第3相試験において、BRAF変異にかかわらず、対照群と比較して統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長を示した世界初の薬剤である。
2011年3月、米国において切除不能又は転移性悪性黒色腫の適応で承認されて以降、欧州、オーストラリア、カナダをはじめ、世界50か国以上で承認されている。また、多くの国で抗がん剤の治療歴に関わらず、根治切除不能な悪性黒色腫に対する標準治療として使用されているという。
悪性黒色腫は皮膚がんの一種であり、皮膚がんの中でも転移率が高く、きわめて悪性度が高いとされる。特に遠隔転移が認められる根治切除不能な悪性黒色腫の場合、5年生存率は10%前後と予後不良である。今回、同剤の発売により、根治切除不能な悪性黒色腫において、世界各国で標準治療として使用されている新たな治療の選択肢が加わることになり、長期生存の可能性が期待できるとしている。
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・ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリース