B型慢性肝疾患治療薬「テノゼット錠 300mg」の出荷調整を実施
中国・天津市の港湾地区で8月12日に起きた大爆発は、8月末時点で死者150名以上、約800人が負傷するなど大きな事故となった。この影響で、トヨタ関連の自動車工場が操業を停止するなど、日本企業にも大きな影響を与えている。国内医薬品業界も例外ではなかった。
8月31日、グラクソ・スミスクライン株式会社は医療関係者に向け、「中国天津倉庫爆発事故によるGSK天津工場被災に伴うB型慢性肝疾患治療薬「テノゼット(R)錠 300mg」出荷調整のお知らせ」という文書を同社の医療関係者向けサイト「HealthGSK.jp」に掲出した。
文書によると、爆発事故により、GSK天津工場が被害を受け、同工場で製造している日本向けのB型慢性肝疾患治療薬「テノゼット錠 300mg」(一般名:テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)の製造・出荷が停止。8月31日現在、操業再開の目途は立っていない、とのこと。
8月末現在で、約2か月分の在庫
同社では、これを受け、特約店への出荷調整を実施することを通知した。なお、8月末現在で、同剤は月間出荷量の約2か月分の在庫を有しているとのこと。
さらに同社では、安定供給再開の目途が確認できるまでの間、特に必要性の高い患者に同剤を届けるために、下記の2点について、検討することを要請している。
- テノゼットの服用中断によって予後が著しく悪化する可能性が高い患者様には処方継続し、本剤の新たな処方開始は控えることについて。
- テノゼットの処方を継続される場合は、長期処方を避け一処方箋あたりの処方期間を短くすることについて。
同社は、「この度の出荷調整につきましては、医療関係者の皆様ならびに患者の皆様に多大なるご心配およびご迷惑おかけ致しますことを、心より深くお詫び申し上げますとともに、今般の事態へのご理解とご協力を何卒お願い申し上げます」と協力を要請している。