医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > インフルエンザワクチンの販売権およびワクチン開発の製造技術利用権を拡大-武田薬品とNanotherapeutics社

インフルエンザワクチンの販売権およびワクチン開発の製造技術利用権を拡大-武田薬品とNanotherapeutics社

読了時間:約 1分25秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年08月31日 AM11:45

ワクチン製造における「ヴェロ細胞培養技術」に関する契約

武田薬品工業株式会社と米国のNanotherapeutics Inc.は8月27日、Nanotherapeutics社がBaxalta(旧バクスターインターナショナルインク バイオサイエンス部門。以下、「バクスター社」)から買収したワクチン製造の細胞培養技術である「ヴェロ細胞培養技術」に関し、販売権および同技術の利用権の拡大に関する契約を締結したと発表した。

2010年、武田薬品とバクスター社は、日本におけるパンデミックおよび季節性インフルエンザワクチンの開発に関する技術を、バクスター社から武田薬品に独占的に許諾するライセンス契約を締結。武田薬品のパンデミックインフルエンザに対する細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1およびプロトタイプ)は、この製造技術を用いて開発され、2014年3月、日本において製造販売承認を取得した。また現在は、日本で同様の製造技術を用い、季節性インフルエンザに対する細胞培養インフルエンザワクチン(TAK-850)を開発している。

日本以外の地域でのワクチン開発・販売権を新たに獲得

ヴェロ細胞培養技術は、ワクチン製造における革新的な細胞培養技術。2014年12月9日、バクスター社は、ヴェロ細胞培養の所有権および、チェコ共和国のボフミルにある製造設備を含む関連資産をNanotherapeutics社へ売却。Nanotherapeutics社との契約においては、H5N1、H1N1および季節性インフルエンザワクチンを含む同技術に関連する全ての資産が対象となっている。また、同契約では、ロスリバーウイルス、チクングニア熱およびウエストナイル熱ワクチンの探索プログラムも含まれているという。

今回の武田薬品とNanotherapeutics社との契約締結により、バクスター社との当初契約に基づく武田薬品の将来の対価の支払義務は無くなる。また、武田薬品は、日本に加え日本以外の特定の地域においてヴェロ細胞培養技術を用いたパンデミックおよび季節性インフルエンザワクチンの開発・販売権を新たに獲得。インフルエンザ以外のワクチン開発においてもヴェロ細胞培養技術および関連試料の利用が可能になるとしている。なお、同契約に関する経済条件は開示していない。

▼関連リンク
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか