2型糖尿病成人患者に向け、心血管イベントの発症リスクを減少
ドイツのベーリンガーインゲルハイムと米国のイーライリリー・アンド・カンパニーは8月20日、「EMPA-REG OUTCOME(R)試験」の主要結果を発表した。同試験は、心血管(CV)イベントの発症リスクが高い2型糖尿病成人患者を対象にした、「ジャディアンス(R)錠」(一般名:エンパグリフロジン)のCVアウトカムを検討した長期の臨床試験である。
EMPA-REG OUTCOME試験は、世界42か国、7,000人以上が参加した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験。同試験では、CVイベントの発症リスクが高く、至適な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病成人患者を対象に、標準治療に上乗せした同剤(10mgまたは25mgを1日1回投与)のCVイベントに対する影響を、プラセボを対照に評価することを目的とした。
主要評価項目達成、標準治療に上乗せした場合のリスク減少
試験の結果、主要評価項目が達成され、標準治療に上乗せした場合のジャディアンス錠のCVリスク減少における優越性が示されたという。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中のいずれかの初回発現までの期間だった。試験の解析は、非劣性を検定した後に優越性を検定するようデザインされており、標準治療は、血糖降下薬よび心血管薬(降圧薬、脂質異常症治療薬など)だった。
また、同剤の安全性プロファイルは、これまでの試験結果と一致していたという。詳細な結果は、9月17日にスウェーデンのストックホルムで開催される「第51回欧州糖尿病学会(EASD)」にて発表予定だ。
2型糖尿病患者の死因の約50%は心血管疾患によるものであり、CVリスクの減少は糖尿病管理を行うにあたり重要な要素となっている。今回の結果によって、2型糖尿病患者の新しい選択肢になることに期待が寄せられる。
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・ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社 プレスリリース