インスリンを介さずに空腹時血糖・食後高血糖を改善するSGLT2阻害剤
アストラゼネカ株式会社は8月24日、2型糖尿病治療薬であるSGLT2阻害剤「ダパグリフロジン」(製品名:フォシーガ(R))の1型糖尿病への適応拡大に向け現在進行中の国際共同第3相試験に、日本が参加することを発表した。
ダパグリフロジンは、腎尿細管でのグルコース再吸収を制御するナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)に対する、選択的かつ可逆的な阻害剤。血液中の過剰なグルコースを尿と共に体外へ排出させ、血糖を低下させるため、インスリンを介さずに空腹時血糖および食後高血糖を改善する。同剤は2型糖尿病治療薬として承認された世界で最初のSGLT2阻害剤で、現在までに世界60か国以上で2型糖尿病治療薬として承認されている。
日本人1型糖尿病患者は、1~17歳で毎年10万人に約2人発症しているといわれ、成人での発症も報告されている。現在1型糖尿病においては、毎日複数回インスリンを注射するインスリン補充療法が主な治療法で、新たな治療法が求められてきた。
1型糖尿病患者のより良好な血糖コントロールを実現できる可能性
今回の国際共同試験は、1型糖尿病への適応拡大を目的として、日本を含む世界13か国が参加して行われる第3相試験。この試験では、血糖コントロールが不十分な日本人1型糖尿病患者が、インスリンに追加して経口剤のダパグリフロジンを服用することによって、より良好な血糖コントロールを得られるかどうかを検証する。
同試験により、ダパグリフロジンがインスリンへの追加療法として、有効性と安全性が立証され、適応が拡大されれば、1型糖尿病患者のインスリン治療の負担を軽減し、より良好な血糖コントロールを実現できる可能性がある。
同社は、今後も医療関係者ならびに1型及び2型糖尿病患者の治療ニーズに応えQOL向上をサポートするため、新たな治療選択肢を提供することで、糖尿病疾患の治療の発展に貢献していきたいとしている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース