高血圧治療薬としては日本初の3成分配合剤
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は8月17日、「ミカルディス(R)錠」(一般名:テルミサルタン)と、持続性カルシウム拮抗薬(CCB)のアムロジピンベシル酸塩、チアジド系利尿薬であるヒドロクロロチアジド(HCTZ)との合剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを発表した。高血圧治療薬として、3成分の配合剤の承認申請は日本初となる。
ミカルディス錠は、同社により発見・開発された持続性アンジオテンシン2タイプ1(AT1)受容体拮抗薬(ARB)。日米欧を含み100か国以上で承認されている。
単剤の併用よりも降圧効果に優れる可能性
日本では、テルミサルタン製剤として「ミカルディス錠20mg/40mg/80mg」、チアジド系利尿薬HCTZとの配合剤「ミコンビ(R)配合錠AP/BP」、および持続性CCBアムロジピンベシル酸塩との配合剤「ミカムロ(R)配合錠AP/BP」があり、“ミカルディスファミリー”を形成している。日本におけるARBファミリーにおいては、ミカルディスの販売金額は第1位。また、2008年に発表されたARBの臨床試験として最大規模のONTARGET3は、ACE阻害薬「ラミプリル」(国内未承認)と同等の心血管イベント抑制効果を有することが報告されている。
高血圧は、心血管病死亡の主なリスク因子として知られているが、治療を行っている患者の血圧管理率は、男性で約30%、女性で約40%にとどまっている。高血圧治療薬の配合剤は、患者の服薬アドヒアランスを高めることによって、それぞれの単剤の併用よりも降圧効果に優れることから、降圧目標値の達成度を改善することが期待されている。