臨床段階にあるInovio社のHPV免疫治療の独占的権利を取得
英国のアストラゼネカは8月10日、同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと、がんおよび感染症のDNAベースの免疫治療の開発に従事するバイオテクノロジー企業であるInovio Pharmaceuticals社がライセンス契約を締結し、共同開発を実施することを発表した。
同契約のもと、メディミューンはInovio社のヒトパピローマウイルス(HPV)免疫治療「INO-3112」の独占的権利を取得する。INO-3112は、HPV16型および18型感染誘因腫瘍を破壊するキラーT細胞を活性化することで抗腫瘍効果を発揮し、現在子宮頚がんならびに頭頸部がんを対象に第1/2相臨床試験を実施している。HPV16型および18型感染は、子宮頚がんの前がん病変および子宮頚がん原因の70%超を占めるとされている。
HPVがんワクチンおよび新たながんワクチン候補の前臨床共同開発
メディミューンは、HPV誘因がんを対象に、自社パイプラインの特定の免疫治療分子とINO-3112の併用試験を行う予定。これまでの研究でも、がん免疫治療の分子は、腫瘍特異的T細胞を生み出すがんワクチンと併用されることで抗腫瘍効果が増強することが示されている。
両社はより広範に提携し、Inovio社の既存パイプラインには未だ含まれていない最大2品目の新規DNAベースのがんワクチン製品についても開発を進める予定だ。メディミューンは、当該ワクチン製品に関する独占的開発・商業化の権利を有し、Inovio社は開発、薬事(承認申請)および商業化のマイルストーンの支払いを受領するとともに、これらの新規がんワクチン製品の全世界の正味売上に対するロイヤリティを受領する権利を有することになるという。
今回のパートナーシップによって、感染症およびワクチンの革新的な開発へつながることが期待されている。
▼関連リンク
・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース