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肝臓のアミノ酸量増加で発せられる神経シグナルが肥満時の血中中性脂肪上昇に関与-東北大

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2015年08月19日 PM12:30

太るにつれて中性脂肪が高くなるメカニズム

東北大学は8月17日、同大大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野/東北大学病院糖尿病代謝科の片桐秀樹教授、宇野健司助教ら研究グループが、太っていくにつれて中性脂肪が高くなるメカニズムを解明したと発表した。この研究成果は、国際専門誌 「Nature Communications」に8月13日付で掲載されている。


画像はリリースより

過食などの生活習慣にもとづく肥満は、脂質代謝異常(血中中性脂肪上昇)・糖尿病・高血圧といった三大病態を併発しやすく、まとめてメタボリックシンドロームと考えられている。メタボリックシンドロームは、動脈硬化発症につながることから、その患者数の急増と相まって、医学的にも社会的にも大きな問題となっている。

これまでに同研究グループは、全身の糖代謝やエネルギー代謝の調節に、脳が制御する自律神経系のメカニズムが重要であることを世界に先駆けて発見し、糖尿病や肥満の発症機序の解明を進めてきていた。今回の研究も、この独自の発見を発展させたものだという。

シグナル遮断で、肥満でも血中中性脂肪の上昇が抑えられる

肥満状況においては、血中の中性脂肪が高値を示すとともに、肝臓でのアミノ酸量が増えていることが知られていた。研究グループはこのアミノ酸量の増加に着目し、肥満させずに肝臓へのアミノ酸流入だけを増加させたマウスを用い、全身の代謝にどのような変化が生じるかを検討。すると、肥満の時のように、血中の中性脂肪が高値となった。そのメカニズムとして、肝臓でのアミノ酸が増加したというシグナルが、自律神経を通じて脳に伝わり、脳から神経を通じて血中の中性脂肪の分解を抑える指令が発せられるというシステムを発見したという。

さらに、これを遮断すると、肥満させても血中中性脂肪の上昇が抑えられたことから、今回発見されたシステムは、肥満の時の中性脂肪上昇の発症機序に関わるということが明らかとなった。

今回の研究により、動脈硬化の発症と深く関連するメタボリックシンドロームの主病態の1つである血中中性脂肪高値をもたらす仕組みが明かされた。今後、この結果に基づいた新たな治療法の開発や動脈硬化の予防法の開発が期待される。

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東北大学 プレスリリース

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