2014年度に開始した「合わせ技ファンド」を拡大
筑波大学は8月7日、同大と筑波研究学園都市の研究機関が連携してイノベーションを創出することを目指した2015年度事業「つくば産学連携強化事業」において、12の課題を採択したことを発表した。これは、2014年度に産業技術総合研究所と筑波大が実施した「合わせ技ファンド」を筑波研究学園都市の国立研究開発法人に拡大した施策である。
画像はリリースより
大学がもつ革新的な研究成果と産業界の市場化システムとの融合によるイノベーションの創出には、以前から期待が持たれているが、大学から産まれる1つのシーズから産業に至るまでには、多くのプロセスが必要だ。製造業では量産技術や品質保証、医療・創薬分野では治験などさまざまな補完的な革新技術が揃ってはじめて、社会実装に向けた確率が高まる。
筑波研究学園都市には多くの研究機関があり、これらの研究機関が連携することによって研究開発はより深みと幅を増し、社会や企業のバリューチェーンへの適合性が増すことになると考えられている。このような観点から、2014年度に産業技術総合研究所と同大はつくば発のイノベーション創出の促進を目指した「合わせ技ファンド」を創設し、9件の新たな共同研究をスタートさせていた。
ライフサイエンス分野が最多の7件
この実績をもとに、今年度は連携期間を筑波研究学園都市の国立研究開発法人全体に拡大し、より社会実装を意識したテーマに絞った「つくば産学連携強化事業」に着手。35件の応募の中から、連携による相乗効果や共同研究のレベル、社会へのインパクトの3つの視点から審査を行った結果、12件を採択した。
連携する研究機関の内訳は、産業技術総合研究所8件のほかに物質・材料研究機構が2件、医療基盤・健康・栄養研究所と理化学研究所がそれぞれ1件ずつ。採択されたテーマの分野は、ライフサイエンス分野が7件と最も多く、材料・デバイス分野が4件、エネルギー分野が1件となっている。同大は採択された課題について、いずれも国立研究開発法人との連携によって革新的な成果が期待される共同研究としている。
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