利便性を高めた舌下錠として開発を進めるTO-206
鳥居薬品株式会社は8月7日、スギ花粉症に対する減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「TO-206(舌下錠)」の国内第2/3相臨床試験の速報結果を発表した。
減感作療法は、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを低濃度から投与し、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法。舌下減感作療法は、患者が自宅で毎日服薬を続ける治療であるため、起こりうる副作用やその際の対応も含め、患者自身の治療法に関する十分な理解が重要とされる。
同社は、2014年10月よりスギ花粉症に対する減感作療法薬として、「シダトレン(R)スギ花粉舌下液」を販売している。しかしながら、冷所での保存(2~8℃)が必要であることなどの課題もあったため、保存上の課題を含め、より利便性を高めた舌下錠としてTO-206の開発を進めていた。
プラセボ投与群に比べ、総合鼻症状薬物スコアが有意に低下
今回行った同試験は、スギ花粉症患者を対象に、TO-206の有効性及び安全性を検討することを目的に、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、群間比較試験下で実施したもの。
速報結果では、有効性の主要評価項目である「総合鼻症状薬物スコア」が、TO-206投与群においてプラセボ投与群に比べ統計学的に有意に低下し、TO-206の舌下投与によるスギ花粉症症状の軽減が確認されたという。また、安全性及び忍容性に関しては、特に問題は認められなかった。
同社はこの結果を受け、厚生労働省への製造販売承認申請に向けて準備を進めていきたいとしている。
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・鳥居薬品株式会社 プレスリリース