2026年まで特許による保護得る
大塚製薬株式会社は8月13日、2015年1月に米国子会社となったアバニア社が情動調節障害(PBA)治療薬「ニューデクスタ(R)」(NUEDEXTA)(臭化水素酸デキストロメトルファン/硫酸キニジン)の後発医薬品の販売許可を米国食品医薬品局(FDA)に申請している数社を提訴していた特許侵害訴訟において、アバニア社が勝訴したことを発表した。
この裁判では、アパニア社側勝訴の第一審判決を不服としてPar社が控訴していたが、米国連邦巡回控訴裁判所が8月10日に同第一審判決を是認するアバニア社側へ勝訴の判決を下した。この判決により、ニューデクスタの特許の有効性が確認され、同社には2026年まで特許による保護が得られることになった。
米国では、潜在患者数は約200万人と推定されるPBA
PBAは、理由も無く人前で突然泣き出したり、不適切な場面で笑い出したりするなど、自分の感情や情動がコントロールできなくなることを特徴とする神経疾患。このためPBAで悩む患者は、健康状態が悪くなることで、職場や社会生活に障害をきたし、社会的に孤立してしまうことも少なくない。
また同疾患は、頭部外傷後遺症(TBI)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、脳卒中やアルツハイマー型認知症に併発する。これらの疾患は、正常な感情表現を司る脳の領域に障害を与えて制御できない激しい泣き笑いの症状が現れる。米国では、PBAの潜在患者数は約200万人と推定され、治療薬が無いため長年にわたって放置されてきたという状況にあった。
アバニア社は、情動調節障害治療薬「ニューデクスタ20mg/10mgカプセル」を開発、2011年2月から米国で発売している。同剤は、中枢神経系に作用する臭化水素酸デキストロメトルファンとデキストロメトルファンの有効血中濃度を高めるための代謝を阻害する硫酸キニジンが配合されている。
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・大塚製薬株式会社 プレスリリース