厚生労働省は、薬局等の検体測定室で自己血糖測定を行う場合の採血行為のうち、「指先の穿刺」と「血液の絞り出し」は医行為に当たることを、薬局等の管理運営責任者に通知した。自己採血を行う受検者の指先を消毒したり、専用容器に血液を採取する行為等については、医行為に当たらないとの見解を明確に示した。ただ、手指に疾患や外傷等がある場合、これら医行為に当たらない行為も医療法等の関連法令に抵触する可能性があるとした。
検体測定室での自己採血による測定は、手指の血行促進、指先の消毒、指先の穿刺、血液の絞り出し、血液の採取、傷口の手当ての手順で行われるが、このうち「指先の穿刺」と「血液の絞り出し」については医行為に当たるとの判断を示した。
法令上の医療機関に当たらない検体測定室では、看護師等の有資格者を含め、受検者の代わりに指先の穿刺と血液の絞り出しを行うことはできないとし、これら行為を行った場合は医療法等の関連法令に抵触するとの見解を示した。
一方、手指の血行促進、受検者の指先の消毒、専用容器への血液の採取、傷口の手当てについては、医行為に当たらないことを明確にした。看護師等の有資格者でなくても、受検者の介助を行うことができ、薬局等での血糖測定等において薬剤師が手伝うことも可能となった。
ただ、受検者の手指に疾病や外傷がある場合、看護師等の有資格者等が手指に触れ、介助を行った時は関連法令に抵触する恐れがあることに留意するよう求めた。厚労省は、医行為に当たらない行為について、薬剤師等が介助を行った場合、これに付随して医行為まで行うことがないよう注意を促している。
薬局等で自己血糖測定等を行う検体測定室の運営に当たっては、昨年公表されたガイドラインに基づき、血液等の検体採取や前後に行う消毒、処置は受検者が自ら行うことを原則としている。
6月30日に閣議決定された改訂版日本再興戦略では、検体測定室における一連の採血行為について、看護師等が利用者に対し、医行為に当たらないものとして介助できる部分を明確化するとされた。そのため、厚労省は今回、検体測定室における一連の採血行為のうち、医行為に当たる部分と当たらない部分を明確化することにした。