医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > がん免疫療法の開発で提携契約を締結、共同研究プログラムを開始-そーせい子会社と英AZ社

がん免疫療法の開発で提携契約を締結、共同研究プログラムを開始-そーせい子会社と英AZ社

読了時間:約 1分18秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年08月11日 PM03:30

アデノシンA2A受容体拮抗薬「HTL-1071」に関して

そーせいグループ株式会社は8月6日、子会社のHeptares Therapeutics(以下、Heptares社)が、英国のアストラゼネカ社と、がん免疫療法開発に関する提携契約を締結したと発表した。

この提携のもとで、アストラゼネカ社はがん免疫療法の低分子化合物であるアデノシン A2A受容体拮抗薬「HTL-1071」およびその他のアデノシンA2A受容体阻害剤の独占的開発、製造販売権を取得。同社は、複数のがん種を標的とし、同社の既存開発ポートフォリオのがん免疫療法の併用を含む、HTL-1071およびその他の化合物の研究開発を実施するという。

一方Heptares社は、HTL-1071の研究・開発、製造・販売に関する独占的権利をアストラゼネカ社に導出。さらに、両社でがん免疫療法における新たなアデノシンA2A受容体拮抗薬の探索を目指し、共同研究プログラムを開始するとしている。

T細胞の抗がん能力を増強させる、がん免疫療法の開発目指す

がん細胞は天然物質であるアデノシンを分泌することで、免疫システムからの攻撃を回避する。アデノシンは、免疫細胞のA2A受容体を刺激することによって T細胞の増殖を阻害し、がん細胞に対する殺傷力を低下さるため、A2A受容体を阻害することは、腫瘍内微小環境におけるT細胞の抗がん能力を増強させることになるという。

今回の提携により、Heptares社は10百万米ドルの契約一時金に加え、早期達成が見込まれる前臨床研究結果および臨床試験開始に応じて相当額のマイルストンを受領。さらに、あらかじめ定められた開発および販売の目標の達成に応じて、総額500百万米ドルを超える開発 および販売マイルストンや、販売高に応じた最大二桁比率の段階的ロイヤリティを受領することが可能になるという。

両社は、Heptares社の先駆的なA2A受容体プログラムとアストラゼネカ社の強力な抗がん剤のポートフォリオを合わせることにより、患者の生活を一変させる新規治療薬を開発したいと期待を述べている。

▼関連リンク
そーせいグループ株式会社 ニュースリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待