循環器・代謝疾患などの領域でIsis Pharmaceuticals社と
英国のアストラゼネカ社は8月3日、米国のIsis Pharmaceuticals, Inc.と、循環器・代謝疾患および腎疾患領域におけるアンチセンス治療薬の創薬および開発に関する戦略的提携を締結したと発表した。
アンチセンス医薬品は、短い化学修飾された一本鎖の核酸(アンチセンス・オリゴヌクレオチド)で、どんな遺伝子産物も標的とすることができる。細胞内でRNAを標的としてタンパク質産生に影響を与えるが、この機能を利用することによって、疾患の原因であるタンパク質の産生防止や、疾患における欠損タンパク質の産生増加、あるいはタンパク産生が不可能な毒性RNAを取り除くことなどが可能になるという。これにより、新たな治療手段を提供するものとされる。
循環器・代謝疾患ならびに腎疾患の新規治療薬を開発へ
アンチセンスに基づく治療薬は医療現場で急速に成長しており、近年、アストラゼネカ社の早期パイプラインの重要な構成要素になりつつある。今回の提携により、Isis Pharmaceuticals社の世界有数のアンチセンス医薬品研究能力と、同社の循環器・代謝疾患ならびに腎疾患治療薬の創薬・開発における専門性を融合。両社の協働により、アンチセンス治療薬を使用することで影響を与えることができる標的や情報伝達経路を解明することを目指していくという。
この新規提携により、同社はIsis Pharmaceuticals社に対し、契約一時金6500万ドルおよび、同社が臨床開発を進める各プログラムの開発および薬事マイルストーンの支払いを行う予定。また、Isis Pharmaceuticals社は、各プログラムの年間純売上に対し段階的に10%以上のロイヤルティの支払いを受ける権利を保持するという。
両社は今後、新規治療薬の上市を目指して、効果的かつ効率的に開発を進めていきたいとしている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース