長時間作用の血友病B治療薬、乳幼児に適した最小規格を追加
バイオジェン・ジャパン株式会社は8月4日、遺伝子組換え長時間作用の血友病B治療薬オルプロリクス(遺伝子組換え血液凝固第IX因子Fc領域融合タンパク質製剤)の最小規格「オルプロリクス(R)静注用250」(一般名:エフトレノナコグ アルファ(遺伝子組換え))を、7月27日付けで発売したと発表した。
オルプロリクスは、Fc領域融合技術を用いて開発された長時間作用の血友病B治療薬。同剤は、2014年9月に500IU、1,000IU、2,000IU、3,000IUの4規格を販売開始したが、今回発売した250IU製剤は乳幼児の血友病B患者に適した規格となっている。250IU製剤が加わったことにより、同剤は豊富な種類の規格を取り揃え、患者や医師に用量の選択肢を提供することが可能となった。
出血の抑制に必要な凝固因子を一時的に補充、新たな出血の予防に
血友病Bは、世界で出生男児の25,000人に1人の割合で発症し、乳幼児の時期から生涯にわたって治療を要する疾患。2014年に日本で行った調査によると、日本では1,034人の患者が確認されている。世界血友病連盟(WFH)が2012年に行った国際調査では、全世界で約2万8,000人が診断されていると推定されている。
この疾患は、血液の凝固に必要な第IX因子の欠乏または機能異常により引き起こされる。血友病Bの患者は出血を繰り返し、それに伴う痛み、不可逆的な関節障害、また致死的な出血を引き起こすことがある。第IX因子の定期的な投与は、出血の抑制に必要な凝固因子を一時的に補充し、また新たな出血の予防ともなる。
患者には出血が起こらないようあらかじめ補充しておく定期補充療法が推奨されているが、定期的な投与にあたっては、乳幼児のような体重の少ない患者に適した規格の製剤が医療現場からも長らく望まれてきた。今回、同社が250IUという最小規格製剤を発売したことにより、小児から高齢者まであらゆる年代の血友病B患者の治療とQOLの向上に貢献できると述べている。
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・バイオジェン・ジャパン株式会社 プレスリリース