2つ目のグローバル試験においても良好な結果
塩野義製薬株式会社は8月3日、グローバルで開発を進めている末梢作用型μオピオイド受容体拮抗薬「naldemedine」(一般名)の一連の第3相臨床試験(COMPOSEプログラム)のうち、2つ目のグローバル試験となるCOMPOSE-II試験において、良好な結果が得られたと発表した。
COMPOSE-II試験は、COMPOSE-I試験と同様に、非がん性の慢性疼痛を治療するためにオピオイド系鎮痛薬を使用中の患者を対象に、同鎮痛薬の長期投与に伴う便秘症状の緩和作用について、naldemedine投与とプラセボ投与とを比較したグローバル試験。
主要評価項目である12週におけるSBM(頓用緩下薬投与後24時間以内の排便を除く排便を指し、SBM回数の増加は便秘症状の改善度を表す)レスポンダー率は、naldemedine群(0.2mg錠を1日1回1錠服用)において、有意にプラセボ群を上回ったという。また、1週間あたりのSBM回数変化量等全ての副次評価項目についても、naldemedine群はプラセボ群を有意に上回った。また同剤の忍容性は概ね良好であり、5%以上発現した有害事象は消化器症状(下痢、腹痛)のみだったという。
オピオイド誘発性便秘で悩む患者の新たな治療選択肢として期待
Naldemedineの第3相臨床試験については、これまでにCOMPOSE-I(グローバル)、COMPOSE-IV(日本)の両試験において良好な成績が得られたことを発表済み。今回のCOMPOSE-II試験の結果により、有効性を主要評価項目とするすべての第3相臨床試験において、naldemedineは主要評価項目ならびに主な副次評価項目を達成したことになる。
オピオイド系鎮痛薬による便秘は、同鎮痛薬を長期に使用する患者に最も多く認められる副作用のひとつ。オピオイドを使用中の患者の日々の活動や労働を制限し、日常生活におけるQOLに悪影響を及ぼす可能性があることから、同試験結果により、naldemedineがオピオイド系鎮痛薬による便秘で困っている多くの患者の新たな治療選択肢となることが期待されると同社は述べている。
▼関連リンク
・塩野義製薬株式会社 プレスリリース