全国409のがん診療連携拠点病院における診療実績を集計
国立がん研究センター(NCC)は8月3日、全国のがん診療連携拠点病院409施設で2013年の1年間にがんと診断された患者の診療情報の集計結果をまとめ、同センターがん対策情報センターのウェブサイト「がん情報サービスがん登録・がん統計」で公開したと発表した。
画像はリリースより
集計を行ったのは各施設で院内がん登録された約65万例の診療情報データ。がんの種類、進行度、治療方法、年齢、来院経路、発見経緯などを都道府県別および施設別に集計した。同集計は、2007年分より開始して以降、今回の2013年分で7回目の集計となる。
2013年のがん診療連携拠点病院の全登録数は、409施設の656,272例で、日本全体のがん罹患数の約70%にあたる。部位別の登録数については、男性の5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、前立腺)では、2007年集計以来、初めて大腸が胃を上回り最多となった。女性の5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、乳房)については、乳房と大腸が胃と肺の登録数に比べて増加が急だったという。
小児がん拠点病院についても新たに集計開始
上位10部位の登録数では、子宮頸部と膵臓が順位を上げ、肝臓と子宮頸部の順位が逆転した。また、膀胱がランク外になり膵臓が9位(前回11位)となった。年齢層や性別等の患者の特徴、がんの発見経緯や来院経路などの受療動向、治療内容に大きな変化は認められなかったという。
さらに、がん診療連携拠点病院以外の診療実態も明らかにするため、都道府県推薦病院284施設や、小児がん拠点病院15施設での集計も実施。都道府県推薦病院においては2011年分から集計を始めており、2013年分では、がん診療連携拠点病院と合わせると日本のがん罹患数の約80%の件数にあたる。小児がん拠点病院では、15施設のうち9施設はがん診療連携拠点病院でもあるため、これまでも集計が行われていたが、6施設については集計がされていなかった。この6施設を対象に調査し、データ提出のあった3施設について今回新たに集計を行ったという。
同センターは、国立成育医療研究センターとともに小児がん拠点病院を牽引し、全国の小児がん医療の質を向上させる「小児がん中央機関」に指定(2014年2月)されている。今回集計された診療情報は、国や都道府県におけるがん対策と拠点病院における自施設機能の把握と診療の方向性検討に活用される予定だ。
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・国立がん研究センター プレスリリース