■“門前”モデルは厳しい評価に
厚生労働省の神田裕二医薬食品局長は2日、横浜市内で開催された「全国ファーマシーフェア2015」で講演し、政府の規制改革会議などが求めている調剤報酬の見直しについて、「門前薬局の評価は、これから3~4回にわたる改定で引き下げられる方針で、厳しくなると考えている」と発言し、「大病院の前で待っているだけのビジネスモデルは10年後、20年後に成り立つかというと難しい」とし、「中長期的な戦略」を持つよう訴えた。
神田氏は、規制改革会議が6月にまとめた第3次答申について、「薬局の機能やサービスを患者にメリットを感じられるよう改革してほしいという要望だった」と総括した。
また、サービス提供のあり方に関しても、「これまで処方内容のチェック、薬学的管理・指導などを一つのパッケージで捉え、薬剤服用歴管理指導料を算定してきたが、実際に提供したサービスのみを評価する仕組みが求められている」と語った。
その上で、2025年をメドに全ての薬局をかかりつけ薬局に再編することを目指す「患者のための薬局ビジョン」の策定を進めていることを報告。その中で神田氏は、「一般外来を診療所に移行させるという病院側の改革が進む中、今後、病院の前で待っているビジネスモデルを続けていくことは難しい。中長期的なビジョンを持つことが必要」と指摘した。
かかりつけ薬局として、「まずは24時間対応や在宅対応など機能面で充実を図り、最終的には地域に行ってほしい」と訴えた。
さらに、かかりつけ薬局の機能に積極的な健康サポート機能を上乗せした「健康づくり支援薬局(仮称)」に求められる要件などについても「検討段階にある」と説明。その上で、「健康づくりは、薬剤師のみで支援できるものではない」と指摘し、今後、かかりつけ薬局を推進するにあたって、「かかりつけ薬剤師として、多職種と連携していく能力が求められている」と述べた。