ラスブリカーゼに続く、新たな治療選択肢として期待
帝人ファーマ株式会社は7月29日、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク(R)錠」(一般名:フェブキソスタット)について、がん化学療法に伴う高尿酸血症に関する適応追加申請を行ったことを発表した。
化学療法によってがん細胞が急速かつ大量に崩壊すると、細胞内に蓄積されていた核酸をはじめとする成分が血中に大量に放出される。核酸は分解・代謝されて尿酸になるため、その結果として大量の尿酸が体内に産生。高尿酸血症を引き起こし、時として急性腎不全などの死に至る重篤な疾患につながることが知られている。「がん化学療法に伴う高尿酸血症」に適応を持つ医薬品が、日本においては尿酸分解酵素であるラスブリカーゼのみであるため、新たな治療選択肢が求められていた。
そこで同社は、フェブキソスタットの尿酸生成抑制効果に着目。化学療法を受ける悪性腫瘍患者を対象として、2014年から同剤60mgの有効性や安全性を確認する第3相臨床試験を実施。今回の申請は、その試験結果に基づくものだという。
48か国で販売されている高尿酸血症治療剤
フェブリク錠は、帝人ファーマが自社創製した新規高尿酸血症治療剤であり、世界初の非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤。同酵素の阻害剤は、約40年前に開発されたプリン骨格を持つアロプリノールのみだったが、2011年に発売されたフェブリク錠は、高尿酸血症治療における新たな選択肢となっていた。
なお、同剤については、グローバル展開が拡大しており、現在、欧米やアジアなど117の国や地域において独占販売契約を締結し、そのうち48か国で販売されている。中でも欧州においてフェブキソスタット(欧州販売名:「ADENURIC」)は、2015年4月に「腫瘍崩壊症候群の中間リスク及び高リスクを有する造血器腫瘍患者における化学療法に伴う高尿酸血症」への適応追加が承認されている。
同社は、欧州や日本における適応追加のように、今後も医療現場への新たな尿酸降下療法の提供やフェブキソスタットのグローバル展開に注力することで、患者のQOL向上に貢献していきたいとしている。
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