■薬系大学の人気も一段落
日本私立薬科大学協会がまとめた2015年度の私立薬科大学(薬学部)入学志願者調査の結果、入学志願者数は11万5726人と前年度に比べて5705人少なく、5年ぶりに減少に転じた。昨年度まで4年連続で志願者数が増え続けていた薬学人気も一段落したようだ。ただ、募集数に対する入試倍率は、全体で10・1倍と昨年度並みに高く、競争率の高い状況が続いている(表参照)
調査は、私立薬大協加盟の57校(徳島文理大香川を含む)を対象に実施されたもの。今年度の定員は1万1464人と前年度の1万1389人から75人と若干増加し、減少傾向に歯止めがかかった格好となった。また、募集数は一般が7261人、推薦が4105人となり、昨年度に比べて一般の募集数は若干増加したものの、推薦は減少した。合計では1万1366人と、昨年度より増加した。
志願者数は、一般9万9335人(前年度10万4674人)、推薦1万6391人(1万6757人)、合計で11万5726人と昨年度から5705人減少した。志願者数は、ここ数年は二桁の伸びで増え続ける勢いが続いていたが、一転して5000人以上の減少に転じ、高止まりしていた薬学人気も一段落したようだ。
志願者数は減少に転じたものの、募集数に対する入試倍率は全体で10・1倍と昨年度並みで、依然として競争率は高い。6年制の一般は13・7倍(14・6倍)、推薦は4・0倍(4・1倍)、4年制は一般が12・8倍、推薦が2・9倍となった。
入学志願者数は、全体で5000人以上減少したものの、大学ごとの志願者数と倍率にはバラツキが見られ、入試倍率が平均の10・1倍を超えた人気のある大学は18校となった。一方、平均倍率を大きく下回り、倍率が3倍に満たなかった大学は8校に増え、2倍を切った大学も2校あった。
最も倍率が高く狭き門となったのは、近畿大で36・9倍(38・5倍)、次いで武蔵野大が29・5倍(32・5倍)となった。前年度に比べると倍率が下がったものの、依然として高い人気を誇っている。高倍率の上位校を見ると、摂南大26・2倍(26・2倍)、神戸学院大21・3倍(21・2倍)、東京理科大20・0倍(21・8倍)と続いている。
また、10倍以上と競争率が高かった大学は、帝京平成大16・2倍(17・2倍)、星薬科大15・6倍(16・6倍)、崇城大15・1倍(13・0倍)、慶應義塾大14・6倍(15・1倍)、福岡大14・1倍(15・2倍)、神戸薬科大13・9倍(14・0倍)、帝京大13・6倍(19・4倍)、明治薬科大13・6倍(13・8倍)、立命館大13・4倍(21・9倍)、横浜薬科大13・2倍(7・7倍)、昭和薬科大12・0倍(14・4倍)などで、中でも横浜薬科大の倍率が急上昇しており、高い人気を集めていた。
なお、倍率は4年制と6年制を区別せず、総定員数と総志願者数から割り出したもの。