isavuconazoleの有効性と安全性を評価
アステラス製薬株式会社は7月30日、アゾール系抗真菌剤 「CRESEMBA(R)」(一般名:isavuconazonium sulfate)に関する第3相ACTIVE試験の結果を発表した。同剤は、米国において成人の侵襲性アスペルギルス症および侵襲性ムーコル症に対する治療薬として承認されており、スイスのバシリア社と共同で開発を進めている。
ACTIVE試験は、カンジダ血症および侵襲性カンジダ症の成人患者440名を対象としたグローバル多施設共同第3相二重盲検無作為化試験。isavuconazole(isavuconazonium sulfateの有効成分)の静脈内投与と経口投与による有効性と安全性を評価した。
非劣性の検証はできず、更なる解析とデータ検討を実施
同試験の結果、主要評価項目である静脈内投与終了時の総合臨床効果において、同剤投与群では、対照群であるカスポファンギン投与群に対する非劣性を検証することはできなかったという。また副次評価項目として、同剤の静脈内投与終了後、同剤の静脈内投与を継続、又は経口投与へ切り替えた群と、カスポファンギンの静脈内投与終了後、カスポファンギンの静脈内投与を継続、又はボリコナゾールの経口投与へ切り替えた群について総合臨床効果を比較した結果、両群間で大きな差はみられなかった。なお、同剤投与群の総合的な安全性プロファイルは、カスポファンギン投与群と同様であり、また、既に報告している第3相試験で得られた安全性データと概ね一致したという。
アステラスは、同剤が米国において承認されている侵襲性アスペルギルス症および侵襲性ムーコル症に対する重要な治療の選択肢であることに変わりなく、新たな治療の選択肢が求められているカンジダ血症や侵襲性カンジダ症に対しては、今後、同試験の更なる解析を行い、データを詳細に検討したいとしている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース