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日本薬剤師会、臨床・疫学の倫理審査委設置へ-会員の知識底上げ図る

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2015年07月31日 AM10:30

日本薬剤師会は、今年4月に公布された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて、会員が臨床・疫学研究を実施できるようにするための体制整備に乗り出す。日薬内に「臨床・疫学研究倫理審査委員会(仮称)」を設置し、内部で行う調査研究だけでなく、薬剤師からの倫理審査の申請に対応するほか、倫理審査を申請する前段階の相談対応や審査委員の育成などに資する研修の企画などを行う。

今後の方針を話し合った会長協議会

新指針に則した臨床・疫学研究を行うための体制整備は、29日に開かれた都道府県会長協議会で、「臨床及び疫学研究に関する倫理審査に関わる検討委員会」の大森栄委員長が説明した。

新指針は、文部科学省の「疫学研究に関する倫理指針」と厚生労働省の「医学研究に関する倫理指針等について」の二つの指針を統合したもので、研究結果の信頼性を確保するため、新たに研究責任者に対し、第三者のモニタリングと監査を受けることなどを義務づけている。

今後は、この指針に則って臨床・疫学研究を実施することが求められており、薬剤師による学会発表や論文投稿などにおいても、倫理審査を受けることが必須となるケースが出てくることが想定される。

これを受け、同検討委員会では、新指針に基づいて臨床・疫学研究を行うための体制を整備した。臨床・疫学研究推進委員会では、倫理審査を申請する前段階で、臨床・疫学研究や倫理審査にかかる申請の支援や、研究計画書の作成にかかる支援を行う。また、実際に申請のあった臨床・疫学研究について構成員が倫理審査を行い、「非該当」「迅速審査」「通常審査」などの判定を行う。

大森氏は、10月16日に日薬で臨床研究に関する担当者全国会議を開催することや、会員の研究倫理に関する知識や認識の底上げを図るため、e‐ラーニングコンテンツの制作、配信を行うことなどを明らかにした。

■分業への理解深める活動を‐山本会長

この日の会議で山本信夫会長は、政府が6月に閣議決定した骨太の方針などで、財政健全化という大きな枠組みの中で、調剤報酬だけが抜本的に見直すとされたことについて、「いささか気になっている」とする一方、医薬分業について、「今後とも進めていく」と明記されたことに触れ、「分業が完全否定されていないことについては、ホッとしている」と述べた。

しかし、「薬剤師、薬局に対する批判は厳しいものがある」とし、「地域住民の理解を得られるような行動をお願いすると共に、われわれもそれを支えるような施策を進めていきたい」と協力を呼びかけた。

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