治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺がんに対する適応追加など
小野薬品工業株式会社は7月28日、欧州医薬品庁(EMA)が、欧州での「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)の適応追加に関する並行する2つの承認申請を提出したことを発表した。2つの承認申請は、治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺がんに対する同剤の適応追加、および進行期悪性黒色腫に対する同剤と「ヤーボイ」(一般名:イピリムマブ)の併用療法の適応追加である。この申請が受理されたことより、提出が完了したことが確認され、EMAの中央審査が開始される予定だ。
同剤は、小野薬品と米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2011年9月にライセンス契約を締結。同剤の北米以外の地域のうち、同社が開発および商業化の権利を留保する日本・韓国・台湾を除く全世界において、独占的に開発および商業化する権利をブリストル・マイヤーズ スクイブ社に供与した。
2014年7月には、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本・韓国・台湾において、同剤を含む複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として両社で共同開発・商業化することに合意していた。
進行期悪性黒色腫および肺がん患者に新たな治療選択肢を
オプジーボは、米国では2014年12月にヤーボイでの治療後、かつ、BRAF V600変異陽性の場合は、BRAF阻害剤での治療後に病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、迅速承認され、さらに2015年3月に、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた肺扁平上皮がん患者の治療の適応が追加承認されている。
欧州では、2015年6月に、BRAF変異の有無にかかわらず、成人の進行期(切除不能または転移性)悪性黒色腫患者の治療薬として、2015年7月には化学療法治療後の局所進行性または転移性肺扁平上皮がんの治療薬として承認されている。
そのほか、海外においては、現在ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が腎細胞がん(RCC)、頭頸部がん、血液がん、膠芽腫、大腸がん、膵臓がん、胃がん、肝細胞がん、トリプルネガティブ乳がん、小細胞肺がん、膀胱がんなどを対象とした臨床試験を実施中であるという。
一方、日本では、小野薬品が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売している。また、RCC、非小細胞肺がん、頭頸部がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫を対象とした臨床試験を実施中だ。同社は、同剤がより多くの進行期悪性黒色腫および肺がん患者にとって、新たな治療選択肢になることに期待を寄せている。
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・小野薬品工業株式会社 プレスリリース