吉田氏は、国内のGE薬メーカーが増産体制を整えるためには、環境整備が必要とし、その一つとして先発品の全規格を取り揃える現行制度のあり方に言及。「あくまでも私案」としつつ、「必要な患者に必要な薬剤を届け、数量目標を達成するためには、全てのGE薬メーカーが同じ品目、規格を揃えて生産するのではなく、もっと効率的なやり方で安定供給に対応できるような仕組みや制度を考える必要があるのではないか」との考えを示した。
GE薬協では、万が一、品切れが起きた場合の医療機関側への情報提供体制や、原薬の共同査察など安定供給対応への取り組みを進めてきたが、今後も業界団体として新たな対応を検討していくとした。
また、安定供給体制について、17年度までに数量シェア60%以上を目指す「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」の達成に向け、各社が設備投資を行っている状況にあることを踏まえ、「社会からの要請には最大限応えられるよう努力していく。ただ、各社とも、この数年間で借り入れを相当することで、増産体制を整備してきた。17年央に数量シェア70%という新たな目標を急に持ち出されても、すぐに増産体制の整備に投資をする余裕が厳しくなっている」と指摘する。
目標を達成するためには、現状の生産設備で対応することは困難で、生産量を上げる必要があるが、1000品目以上にも及ぶ少量多品種生産が大きな壁になる。
吉田氏は、「数量目標だけを達成しようと思えば、できるのかも知れないが、少量多品種を扱うGE薬メーカーにとって、1品目1品目の安定供給を維持しながら、増産体制を整備するのは非常に難しい問題」と強調する。
その理由として、「一つの製造ラインで大量の医薬品を生産できるのが理想だが、品目によっては製造ラインが異なり、別の製造工程を用意しておかなくてはならない」という実態を挙げ、「1品目でも安定供給できなければ、“品切れ”扱いとなってしまう。品目によっては販売数量が伸びて、当初計画に対して上振れする場合もあり、追加生産にどう対応していくかも課題になる」とした。