両社折半出資による合弁会社を設立、同剤の権利を新会社に移行
協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社は7月24日、現在開発中の抗VEGFヒト化モノクローナル抗体製剤「ベバシズマブ」のバイオシミラー医薬品(開発番号:「FKB238」)の開発・販売で、英国のAstraZeneca plc(アストラゼネカ社)と提携し、両社折半出資による合弁会社を設立する契約を同日付けで締結したことを発表した。協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、同剤に関する権利を新会社に移行させ、その対価として一時金4500万ドルを受け取る予定だ。
今回設立する合弁会社は、協和キリン富士フイルムバイオロジクスがこれまで行ってきた同剤の非臨床および臨床などの開発データをもとに、アストラゼネカ社が持つがん領域での開発と販売に関するノウハウを活かして、同剤の世界的な開発と販売に向けた取り組みを加速させていくことを目的として設立される。
2014年11月から欧州で第1相臨床試験を実施
協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、2012年3月27日に、富士フイルム株式会社と、協和発酵キリン株式会社が設立したバイオシミラー医薬品の開発・製造・販売会社。今回開発中の「FKB238」は、大腸がんや非小細胞肺がんなどに高い治療効果を持つ抗VEGFヒト化モノクローナル抗体製剤「ベバシズマブ」のバイオシミラー医薬品で、同社が2014年11月より、欧州で第1相臨床試験を開始していた。
同社はこの「FKB238」のほか、関節リウマチなどに高い治療効果を持つヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」のバイオシミラー医薬品(開発番号:「FKB327」)の開発も進めている。なお、「FKB327」においては、米国などで臨床第3相試験を実施中だ。
同社は今後も、高信頼性・高品質でコスト競争力にも優れたバイオシミラー医薬品の開発・製造を進めていきたいとしている。
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・富士フイルム株式会社 ニュースリリース