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台湾に抗インフルエンザ薬「アビガン錠」を供給-富士フイルム

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2015年07月27日 AM06:00

鳥・豚、新型インフルエンザのリスクに備え、特例輸入を決定

富士フイルム株式会社は7月22日、台湾の感染症対策を行う政府機関である衛生福利部疾病管制署(Centers for Disease Control, R.O.C(Taiwan)、以下、台湾CDC)が抗インフルエンザウイルス薬「(R)錠200mg」(一般名:)を備蓄することを決定したことを受け、7月13日に同署へ「アビガン錠」を供給したと発表した。

アビガン錠は、富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が創製したもので、2014年3月に国内で製造販売承認を取得した抗インフルエンザウイルス薬。国内臨床第3相試験の実施において、国際共同治験として台湾でも被験者を組み込んだ実績がある。

今回の備蓄は、台湾でヒトへの感染の危険性が高まっている鳥・豚インフルエンザおよび新型インフルエンザの治療薬として台湾CDCが台湾国民のリスクに備えるもの。アビガン錠は、現時点で台湾衛生福利部食品薬物管理署から製造販売承認されてはいないが、台湾CDCはアビガン錠の持つ新しい作用メカニズムなどを評価し、同剤の特例輸入を決定したという。

台湾での製造販売承認の早期取得を目指す

インフルエンザウイルスは、感染した細胞内で遺伝子を複製し、増殖・放出することで他の細胞に感染を拡大する。既存薬は、増殖したウイルスの放出を阻害して感染の拡大を防ぐノイラミニダーゼ阻害剤だが、アビガン錠は、既存薬とは作用メカニズムが異なり、細胞内でのウイルスの遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐRNAポリメラーゼ阻害剤だ。アビガン錠は、この新しい作用メカニズムから、各種鳥インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用が期待されており、実験動物レベルではすでに効果が確認されている。

現在、鳥・豚インフルエンザウイルスは、ほとんどの場合、ヒトに感染しないものの、ヒトへの感染時に通常の季節性インフルエンザウイルス(H1N1など)と混ざり合い、ヒトへの感染力を持つ新型インフルエンザウイルスへと変異することで、パンデミックに繋がることが懸念されている。このような中、富士フイルムは、台湾政府機関がアビガン錠を備蓄することを決めたことを受け、同剤を供給した。アビガン錠を備蓄用途として供給するのは今回が初めてとなる。供給したアビガン錠は、ヒトが鳥・豚インフルエンザや新型インフルエンザに感染した時に使用され、また実際投与された場合には、その情報が富士フイルムに提供されるという。

なお、供給は、台湾CDCからアビガン錠の輸入委託を受けた、現地製薬大手の生達化学製薬股份有限公司を通じて行われる。今後、富士フイルムは、生達化学製薬股份有限公司と提携し、台湾での製造販売承認の早期取得を目指していくとしている。

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富士フイルム株式会社 ニュースリリース

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