尋常性ざ瘡治療剤としては国内初の配合剤
グラクソ・スミスクライン株式会社(以下、GSK)と株式会社ポーラファルマは7月17日、「デュアック(R)配合ゲル」を発売し、同剤の販売促進および流通について、両社で提携を行うと発表した。
デュアック配合ゲルは、皮膚や毛包漏斗部でのアクネ菌の増殖抑制が期待できるリンコマイシン系抗菌薬のクリンダマイシンと、殺菌作用と角質剥離作用を有する酸化剤で、海外では尋常性ざ瘡の治療薬として、50年以上使用されている過酸化ベンゾイルを配合した外用剤。同剤は2015年3月26日に尋常性ざ瘡の適応症で、厚生労働省より承認を取得している。
クリンダマイシンリン酸エステル-過酸化ベンゾイル配合剤は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなどを含む世界80か国以上の国で承認されており、欧州のガイドラインでは軽症から中等症の炎症性皮疹(赤にきび)に対してファーストラインで紹介されている。なお同剤は、尋常性ざ瘡治療剤としては国内初の配合剤になるという。
“にきび”で苦しむ患者の治療に新たな選択肢を
俗に“にきび”と呼ばれる尋常性ざ瘡は、「脂質代謝異常(内分泌的因子)」、「角化異常(過角化)」、「細菌の増殖」が複雑に関与した炎症性疾患。思春期以降に顔面や胸背部を中心に種々の皮疹が生じる。国内では、9割以上の人が尋常性ざ瘡に罹患すると推測されている。
顔面など人目に触れやすい部位に発症し、感情面への悪影響による生活の質(QOL)の低下が懸念される疾患にもかかわらず、一般的に皮膚疾患として積極的に治療する対象であるという認識が浸透していないため、医療機関への受診率も低く、医師による診療を受けていない患者が多くいると考えられる。
今回、GSKと販売提携を行うポーラファルマは、医療用医薬品から医家向け化粧品まで製品を取り揃えて皮膚科領域に特化して活動し、皮膚疾患に関する経験も豊富だ。発売後は、適切な情報を提供すること、および必要とする患者に同剤を届けることが可能となるだろうと両社は述べている。
▼関連リンク
・グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース