中間まとめでは、日本のゲノム研究は世界と比べても遜色ない実績を挙げているとしつつ、最近の国際的な動向は希少疾患等の焦点を絞った疾患志向型研究に移行していると指摘。先行する米英と比べて日本は不十分な点が多く、国の総合的な取り組み強化が急務とし、具体的に求められる方向性を示した。
その一つに、医療に利用可能な質と信頼性の高い試料・情報の獲得・管理を挙げた。医療に用いる各種オミックス検査について、国際基準で認定された施設における品質、精度管理が必要と指摘。現状を把握した上で、今後の対応や必要な措置を検討するとした。
また、社会の理解と協力を挙げ、個人情報保護法の改正の動きを踏まえ、ゲノム指針や医学系研究に関する倫理指針等について、遺伝情報保護と医療における遺伝情報の有効な利活用という両方の観点から、必要な措置を検討するとした。産業界への試料提供や生体試料の利活用に当たって、関連指針との整理について考慮すべき事項があれば、併せて検討するとした。
研究の推進に向けては、ゲノム医療の取り組みに当たって、対象疾患にも戦略的な設定が求められると指摘。まず、第1グループとして、エビデンスが比較的積み重なり、医療への利用が近い希少疾患、難病、認知症を重要なターゲットと位置づけ、薬の副作用回避や薬効予測のためのファーマコゲノミクス等についてゲノム研究を促進すべきとした。
同時に、第2グループとして糖尿病、循環器疾患等の多くの国民が罹患する一般的疾患への対応にもゲノム情報を応用し、前向き健常人ゲノムコホート等を引き続き推進するとした。
さらに、東北メディカル・メガバンク計画等の「3大バイオバンク」と質の確保された地域コホートの実効的な連携を目指すとし、実現すべき具体的な研究目標を設定した上で、それぞれのバンクの特徴が最大限活用されるような連携を図ることが重要とした。