興和が製品を供給、中外製薬が国内で独占的に販売
興和株式会社は7月14日、肝細胞がん再発の抑制剤として興和が開発中の「ペレチノイン」(開発コード: NIK-333)の国内におけるライセンス契約を、中外製薬株式会社と同日付けで締結したことを発表した。
今回の契約により、興和はペレチノインの製造販売承認を取得し、中外製薬は興和が供給する製品を国内で独占的に販売することになる。また、興和は同契約の対価として、契約一時金と所定のマイルストーンペイメントを中外製薬より受領するという。
肝細胞がんの再発抑制を目的とした世界初の薬剤
ペレチノインは、主にレチノイド核内受容体を標的分子とする、ビタミンA様構造を有する経口非環式レチノイド。肝細胞がんの再発抑制を目的とした薬剤としては世界初となるもので、2011年1月18日に興和が国内製造販売承認申請を行っている。
日本においては、約4万人が毎年新たに原発性肝がんと診断され、約3万人が亡くなっており、がんによる死因の第5位となっている。また、原発性肝がんのうち、肝細胞がんが約94%を占めており、根治術後の再発率は術後1年目までで30.1%、3年目までで62.3%、5年目までで79.0%と報告されている。
興和と中外製薬は、ペレチノインの市場導入により、いまだ満たされていない医療ニーズに応え、新たな治療機会を提供することで、患者をはじめ家族や医療関係者への貢献を期待すると述べている。
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・興和株式会社 プレスリリース