北里大学北里研究所病院バイオメディカルリサーチセンターが昨年に実施した第I相試験で、健康成人ボランティアのナトリウム値のデータを改ざんしていたことが分かった。プロトコールに定められた被験者の選定基準を逸脱し、本来は除外すべき健康成人1例を治験に組み入れており、GCP違反に該当する。対象となった医薬品は現在、第III相試験段階にあり、既に厚生労働省と治験依頼者である製薬会社はデータ改ざんを把握している。厚労省は「より詳しい情報の提供を同院に求めているところで、それをもとに対応を判断したい」としている。
昨年5月から7月にかけて同院で実施した新薬の第I相試験において、健康成人ボランティア1症例のナトリウム値が137mEq/L(基準値138~144mEq/L)と基準値から外れていたため、138mEq/Lに改ざんし、治験に参加させた。本来は除外すべき症例だが、治験への組み入れ率を高めるため、データを改ざんしたと見られる。