米国を除く全世界における権利を取得
ゼリア新薬工業株式会社は7月9日、同社100%子会社であるスイスのTillotts Pharma AG(以下、ティロッツ・ファーマ)が、現地時間7月8日開催の同社取締役会において、ア英国のアストラゼネカ社が販売している炎症性腸疾患(IBD)治療剤「Entocort(R)」(一般名:ブデソニド)の米国を除く全世界における権利を取得することを決議し、同日付でその契約を締結したことを発表した。
潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)を含む IBD は、世界中に約500万人の患者が存在すると推定されている疾患。今回取得するEntocortは、CDを適応として40か国以上で承認され、さらに一部の市場ではUCの適応でも承認されている局所作用性のステロイド剤で、IBDの中で主にCD治療剤として市場が確立されている。
日本国内ではゼリア新薬が販売予定
ティロッツ・ファーマは、消化器領域に特化したスペシャリティファーマで、主要製品であるメサラジンを有効成分とするIBD治療薬「Asacol(R)」(アサコール(R))を世界およそ 50か国で販売。アサコールは1984年にスイスで上市され、現在では多くの国でIBD、主にUCの第1選択薬として用いられている。
米国を除く全世界40か国以上で販売されているEntocortの権利を取得することにより、ティロッツ・ファーマはIBD治療においてAsacolを補完することが可能となり、両製品のシナジーを発揮して消化器領域での一層のプレゼンスを示すことができるとしている。
なお、日本においては現在、アストラゼネカの日本法人がCDを適応症として製造販売承認申請の準備を進めているという。承認後はゼリア新薬が販売する予定であり、現在、UC治療剤として販売している Asacolと合わせて、国内におけるIBDの治療に一層貢献することができると同社は述べている。
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・ゼリア新薬工業株式会社 プレスリリース