ジョンズホプキンスメディスン傘下の世界トップクラスの病院に
北海道大学は7月10日、株式会社日立製作所と内閣府のFIRST 事業で共同開発した、世界最先端の陽子線治療装置が、世界トップクラスであるジョンズホプキンスメディスン傘下の米シブリーメモリアル病院に導入されることが決定したと発表した。
画像はリリースより
この陽子線治療装置システムは、北大の白土博樹教授が世界で初めて提唱し、北大が知的財産を保有する動体追跡照射技術と、日立の持つスポットスキャニング照射技術を組み合わせたもの。2種類の照射技術を組み合わせることにより、呼吸等で位置が変動する腫瘍に対しても高精度な陽子線の照射を実現し、正常部位への照射を大幅に減らすことが可能になったという。
高精度にあらゆる腫瘍への照射を実現する最先端装置
この陽子線治療装置の特徴は、スポットスキャニング照射技術に特化することによる装置の小型化(2014年2月薬事承認取得)に加え、動体追跡照射技術の搭載(同年10月同取得)や、ガントリ搭載型コーンビームCT機能の追加(2015年3月同取得)により、高精度にあらゆる腫瘍への照射を実現できることだ。このような次世代をリードできる陽子線治療装置を完成させたことが、今回の導入に大きく貢献したという。
今回のシブリーメモリアル病院同様、世界トップクラスの米メイヨークリニックにも、主要部分である加速器を北大型にした陽子線治療装置が導入されており、これで世界のトップクラスの病院が相次いで、北大と日立の技術を導入することになる。なお、国内では北海道大学病院において、既に治療が始まっている。
北大では今回の導入成果を励みにして、さらに医理工学関係の研究教育を推進し、これからも産学が一体となっての産学協働研究に邁進し、国産技術で世界の放射線治療を推進していきたいとしている。
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・北海道大学 プレスリリース