14年度の私立薬科大学・薬学部における病院実習の受入施設数と学生数は、5289施設(前年度5335施設)に対して9225人(9505人)と、施設数、学生数ともに前年度を下回った。
そのうち調整機構経由は、3471施設(3695施設)に対して5139人(5499人)と、施設数で約7割、学生数では約6割を占めた。
一方、薬局実習の受入施設数と学生数は、8536施設(8481施設)に対して9248人(9501人)となり、調整機構経由の施設と学生が95%とほとんどを占めた。実習期間中に大学教員が実習施設を訪問した回数は、病院、薬局ともに3回程度が最も多く、次いで2回程度となった。
実習費用について、病院実習では学生9225人のうち「35万円以上~40万円未満」が3197人と最も多かったが、前年度の4252人に比べて大幅に減少した。一方で、「27万5000円超~30万円未満」が1535人と前年度の780人に比べて倍増したが、実習費用の高い「40万円以上~45万円未満」も865人と前年度の125人から大きく増えており、依然として病院実習費用は高止まりの状況にあることがうかがえた。
薬局実習では、学生9248人のうち「27万5000円超~30万円未満」が6964人と前年度の6261人から増加し、7割以上を占めたが、一方で実習費用の安い「27万5000円以下」が2232人と、前年度の3182人から大きく減少。12年度の3687人から減少傾向に歯止めがかかっておらず、薬局でも実習費用が上昇傾向にあることがうかがえた。
各地区別に実習費用を見たところ、病院実習では東海・北陸地区で「27万5000円超~30万円未満」が604人と約9割、九州・山口地区でも約半数を占めたものの、関東地区、近畿地区、中国・四国地区では「35万円以上~40万円未満」が最も多く、関東地区では全体の4割に当たる1616人、近畿地区では1277人と約6割を占めた。
ただ、大学独自で契約した実習費用を見ると、近畿地区では、ほぼ全員が「27万5000円以下」と全体に比べて大幅に低く抑えられていた。
薬局実習では、北海道・東北地区と東海・北陸地区で「27万5000円以下」が最も多く、他の地区でも「27万5000円超~30万円未満」が大勢を占め、全国的に薬局の実習費用の方が低く抑えられていることが分かった。