薬剤師の業務による効果を客観的な指標で評価することの重要性が、4、5日に名古屋市で開かれた医療薬学フォーラム2015のシンポジウム「日常薬剤業務において得られたクリニカルエビデンス」で強調された。客観的な指標による評価は、薬剤師の介入が医療の質的向上に貢献することを理解してもらったり、その介入方法が適切かどうかを判断したりするのに役立つという。介入方法や対象患者ごとに適切な指標を構築する必要があるとされた。
二村昭彦氏(藤田保健衛生大学七栗サナトリウム医療技術部薬剤課)は終末期癌患者に対するステロイド適正使用の取り組みを紹介した。ステロイドは食欲不振や全身倦怠感など様々な苦痛症状を改善することで知られている。しかし、長期使用による弊害も考えられるため二村氏は2009年から、原則2週間以上の連続投与を行わないよう医師への働きかけを開始した。