チロシンキナーゼ阻害剤/抗繊維化剤が製造販売承認を取得
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は7月3日、チロシンキナーゼ阻害剤/抗線維化剤「オフェブ(R)カプセル100mg、同カプセル150 mg」(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)が、特発性肺線維症(IPF)の効能・効果で製造販売承認を取得したことを発表した。
IPFは、慢性かつ進行性の経過をたどり、最終的には死に至る肺線維化疾患。肺組織の進行性の瘢痕化と経時的な呼吸機能の低下を特徴とし、時間経過と共に瘢痕化によって組織が肥厚し、硬くなることで、酸素を取り込んで血液に送り出す肺の機能が失われ、主要臓器に十分な酸素が行き渡らなくなる。その結果、IPF患者には息切れ、咳が起こり、時には日常の身体活動にも支障をきたすようになる。
IPF患者の有病率は、世界で10万人あたり14〜43人と推定されているが、現時点で利用できる治療選択肢は限られていた。
第3相臨床試験で急性憎悪の発現リスクも抑制
オフェブは、IPFの治療を目的として開発された、IPFに対する初の分子標的薬。肺線維症の発症機序への関与が示唆されている増殖因子受容体、特に血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)および血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的にする。
第3相国際共同臨床試験において、一貫して、主要評価項目である努力肺活量(FVC)の年間減少率をプラセボに比べて統計学的に有意に抑制することを示した。また、入院や死亡につながる可能性のある急性増悪の発現リスクも抑制したことが示されているという。
同社は、この革新的な治療薬がIPF患者の治療に貢献できるよう、適正使用の推進に努めていきたいとしている。
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・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース