医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > DE-122の滲出性加齢黄斑変性を適応症とする治験許可をFDAに申請-参天

DE-122の滲出性加齢黄斑変性を適応症とする治験許可をFDAに申請-参天

読了時間:約 1分15秒
2015年07月07日 AM06:00

抗エンドグリン抗体TRC105の眼科疾患治療剤

参天製薬株式会社は7月1日、米国のTRACON Pharmaceuticals, Inc.より導入した DE-122の滲出性加齢黄斑変性(wet )を適応症とする治験許可申請を米国食品医薬品局()に行ったと発表した。

(AMD)は中途失明の主な原因のひとつで、萎縮型(dry)、または滲出型(wet)のいずれかに分類される。滲出型の場合、網膜下で病的な新生血管が形成され、滲出液の漏出等により網膜の破壊や機能障害が起こり、視野の中心部に歪みや暗点がみられるようになる。さらに、症状が進行すると高度な視力障害に至る場合もある。Wet AMDは、先進国において高齢者の失明の主な原因になっており、全世界で患者数は増加傾向にあるとされている。

抗VEGF治療を補完するものと期待

今回、治験許可申請を行ったDE-122は、TRACON社が保有する抗エンドグリン抗体 TRC105の眼科疾患治療剤。エンドグリン(CD105)は血管内皮細胞に存在するレセプターであり、病態時に発生する新たな血管の形成プロセス(血管新生)に必須なタンパク。TRC105は、エンドグリンに対する抗体であり、TRACON社は全く新しいタイプのファーストインクラス抗がん剤として臨床開発中だという。

TRACON社は、TRC105が現行の抗VEGF治療を補完する新たな治療薬となることを期待し、米国国立癌研究所(NCI)のがん治療評価プログラム(CTEP)を活用しつつ、現在各種がん患者を対象にした複数の第2相臨床試験を実施。同様に、TRC105は加齢黄斑変性に対しても抗VEGF治療を補完するものと期待されている。

参天製薬は、2014年3月にTRC105の全世界の眼科領域における開発権をTRACON社より獲得。今回のDE-122の治験許可申請により参天製薬は、同契約に基づき、マイルストーンとして3百万ドル(約3.8億円)をTRACON社に支払うとしている。

▼関連リンク
参天製薬株式会社 ニュースリリース

 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ウゴービ電子添文改訂、 MACE発現リスク20%低下示したP3データ反映-ノボ
  • 炎症性腸疾患に対するduvakitugの有効性・安全性の追加データ発表-仏サノフィほか
  • ミリキズマブ投与のIBD患者、多くが2年後も臨床的寛解/内視鏡的改善を維持-米リリー
  • DMDのエクソン44スキップ薬、医師主導治験でジストロフィン発現を確認-NCNPほか
  • 子宮体がん一次治療で免疫チェックポイント阻害薬とPARP阻害薬の併用「薬物療法にパラダイムシフト」
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい