真性多血症患者の4人に1人は従来の治療薬に抵抗性または不耐容に
スイスのノバルティスは6月13日、ハイドロキシウレアに抵抗性または不耐容の真性多血症(PV)患者を対象に、「ジャカビ(R)」(一般名:ルキソリチニブリン酸塩)を評価した主要な第3相臨床試験であるRESPONSE試験における安全性および有効性の長期間の結果を公表した。この結果は、オーストリアのウィーンで開催された第20回欧州血液学会(EHA)で発表されている。
真性多血症は、骨髄で血液細胞が過剰産生される治癒困難でまれな血液がん。JAK-STAT経路の調節異常によって発生し、血栓、脳卒中や心臓発作などの重篤な心血管系の合併症を引き起こす。患者の約25%はハイドロキシウレア抵抗性(効果不十分)または不耐容(許容できない副作用)となり、疾患コントロールが不良とされる。
ジャカビは、JAK1およびJAK2チロシンキナーゼの経口阻害剤。欧州委員会により、ハイドロキシウレアに抵抗性または不耐容である真性多血症(PV)の成人患者の治療、原発性骨髄線維症(慢性突発性骨髄線維症)、真性多血症後の骨髄線維症または本態性血小板血症後の骨髄線維症の成人患者における脾腫または諸症状の治療薬として承認された。また、欧州連合、カナダ、日本、アジアや中南米、南米の国々を含む80か国以上で骨髄線維症の治療薬として承認。現在、骨髄線維症および真性多血症の治療薬として、世界各国で承認申請が進められている。
ジャカビの長期安全性と有効性プロファイルを裏付け
今回結果が報告されたRESPONSE試験は、世界90か所以上の施設で実施された、国際共同・無作為化・オープンラベル試験。事前に計画されていた同試験の18か月時の解析では、疾患コントロールが不良でジャカビの投与を受けた真性多血症患者の80%で、持続的な効果が認められたという。持続的な効果とは、瀉血療法を行わずにヘマトクリット値が45%未満、脾臓サイズが縮小という疾患コントロールの二つの主要な指標を1年以上にわたって維持することだとしている。
忍容性についても良好で、ジャカビ投与群におけるグレード3または4の貧血および血小板減少症の発生率はそれぞれ、100患者年あたり0.9件および2.6件であり、48週目時点の解析から増加はなかった。また、有害事象による投与中止は4.5%にとどまったという。
この長期データから、真性多血症に対するジャカビの確かなエビデンスが裏付けられたと、ノバルティスは述べている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース