山本会長は、「執行部として2年目を迎え、薬剤師を取り巻く環境に機敏に対応する」ことを強調。16年度改定を「努力が正しく評価される体系」にする決意を示す一方で、「表面的な評価ではなく、真に薬剤師が社会になくてはならない専門職であることを理解されるような行動が求められている」と述べ、参加した代議員らに協力を呼びかけた。
また、薬歴未記載や無資格調剤などの事案が相次いで発覚した問題については、「職業意識や基本的な役割を忘れた、およそプロフェッションとは呼び難い『薬剤師』の姿が見えてくる」とし、「極めて遺憾に思うと同時に、頭から冷や水を浴びせられた思いがする」と非難した。
多くの薬剤師は、「『国民・患者のために安全な医薬品を提供する』ということに鋭意努力していると思うが、一部の薬剤師等の行動が社会からの信頼を一気に崩壊させることにもつながりかねない」と指摘。改めて、「薬剤師の原点」「薬局の役割」を「再確認する必要がある」と述べた。
■一元的・継続的に管理‐“かかりつけ”の考え示す
27日の定時総会では、日薬が目指す「かかりつけ薬局」について考え方が明らかにされた。「『その人』が使用する医薬品の一元的・継続的な薬学的管理を担い、必要な医薬品を供給することができ、健康や医薬品、薬物治療に関する多様な相談が受けられる薬剤師(かかりつけ薬剤師)が勤務する地域の人々から選ばれる薬局」としている。
また、かかりつけ薬局に求められる機能として、▽地域に密着した信頼できる薬剤師がいる▽地域における医薬品などの供給拠点として機能できる体制が整備されている▽医療・保健・福祉・介護などに関して気軽に相談できる体制が整備されている▽医薬品を一元的・継続的に管理を行う体制が整備されている▽他職種(施設)との連携体制が構築されている─―ことも挙げた。
笠井秀一常務理事は「かかりつけ薬局という単語は発信してきたが、具体的に示したことはなかった」とし、内部での議論を経て先月26日の理事会で承認が得られたため、「一部を紹介した」と説明した。
安部好弘常務理事は、規制改革会議の第3次答申に盛り込まれている「リフィル処方箋の導入」について、「いい面もたくさんあるがリスクもある。そこを踏まえて議論したい」との考えを示した。
海外で導入されているリフィル処方箋は、処方の長期化を目的としたものだが、日本では長期投薬に対して、医師の中でも、「長く出すのは良くないとか、長く出した方が効率的ではないかなど、様々な意見がある」とし、「そういったものをきちんと見極めながら対応していく必要がある」との認識を示した。