視覚的に若々しくみせる要素「視覚的ハリ感」に着目
富士フイルム株式会社は6月18日、肌の見え方と肌の状態の関係について研究を行い、その成果を発表した。同研究によれば、輝くようなツヤがある肌は肌内部の細胞構造の乱れが少なく、また人が顔を見た時に弾力性がある印象を受けるハリ感(視覚的ハリ感)の知覚には頬部のツヤが重要であることが明らかになった。
画像はリリースより
同社は、化粧品を開発する中で、肌の見え方と肌の状態との関係について研究を進めてきた。今回の研究では、女性を視覚的に若々しくみせる要素である「視覚的ハリ感」に着目。肌がどのような構造になっていればツヤがあるように見えるのかを解明するため、20~50代の女性被験者15名の肌表面と肌内部の状態を解析した。
その結果、ツヤの目視評価が高い被験者ほど、肌内部における細胞構造の乱れが少ないことを示すデータが得られたという。これにより、細胞形状や細胞屈折率のムラなど細胞構造の乱れが抑制されることで肌内部に入る光の量は多くなり、しっかりとしたツヤになると推定した。
頬部のツヤが視覚的ハリ感に大きく影響
さらに、細胞構造の乱れによる肌の見た目の違いを可視化するため、同社独自の光学画像シミュレーションシステムを開発。細胞構造の乱れの程度やキメ形態をそれぞれ変化させた複数の肌モデルを作成し、同システムを用いてツヤの状態を可視化した結果、微細な細胞構造の乱れを抑制することでしっかりとしたツヤになることを実証したという。
また視線追跡装置を用いて、人は顔のどこを見て視覚的ハリ感を感じているかも解析。その結果、視覚的ハリ感を評価する際、顔の頬部周辺に視線が集中していることが分かった。顔の頬部周辺の毛穴やツヤ、たるみやシワといった特徴量と視覚的ハリ感との相関関係も解析した結果、視覚的ハリ感の知覚には、たるみやシワよりも、頬部のツヤが大きく影響することを確認したという。
今回の光学画像シミュレーションおよび解析結果により、肌表面だけでなく肌内部の細胞構造の乱れを整えることでツヤがある肌になり、視覚的ハリ感が向上することが示唆された。同社は、研究結果で導き出した条件を満たすことで肌のツヤを向上させ、視覚的ハリ感を生むスキンケア化粧品の開発に応用していくとしている。
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・富士フイルム株式会社 プレスリリース