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A型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス」、斜視の効能・効果で適応症の追加承認を取得-GSK

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2015年06月30日 PM02:00

世界35か国以上で斜視に対する承認を取得済

グラクソ・スミスクライン株式会社()は6月26日、A型ボツリヌス毒素製剤「(R)注用50単位/同100単位」(一般名:A型ボツリヌス毒素)について、斜視の効能・効果で承認を取得したことを発表した。

同剤は既に、米国、カナダ、フランス、オーストラリアをはじめとして世界35か国以上において、斜視に対する承認を得ている。日本では、1996年に眼瞼痙攣に対する承認を取得してから、片側顔面痙攣、痙性斜頸、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、上肢痙縮、下肢痙縮、重度の原発性腋窩多汗症に対しての承認を取得している。

斜視の眼位のずれは、先天的あるいは後天的な疾患や外傷などにより、眼球に付着する6つの外眼筋の筋緊張のバランスが変化することで生じるとされている。斜視により眼位の異常が生じると、両眼視の異常や、頭位異常、眼精疲労などの機能的な問題による身体活動への影響や、他人と目線が合わないなどの整容的問題に直面し、さらには、うつ傾向に陥るなどの精神的の問題が懸念されている。日本における斜視の治療は、屈折矯正や視能訓練といった非観血的療法、または手術療法より選択されていた。

成人および12歳以上の小児を対象、外眼筋に筋肉内注射

同剤は通常、成人および12歳以上の小児にA型ボツリヌス毒素として外眼筋に筋肉内注射する。初回投与の用法・用量が、斜視の症状によって異なっており、初回投与後4週間観察し、効果が不十分な場合には、さらに追加で初回投与量の2倍までの用量を上限として投与することができるとされる。

今回の適応は、日本眼科学会及び日本弱視斜視学会からの開発に関する要望書の提出後、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高いと判断され、厚生労働省より開発要請された結果、2014年7月25日に申請していたもの。今回の承認により、同社では、斜視に悩む患者へ新たな治療の選択肢になることに期待を寄せている。

▼外部リンク
グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース

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