CRVOに伴う黄斑浮腫に加え、BRVOに伴う黄斑浮腫も適応に
バイエル薬品株式会社と参天製薬株式会社は6月26日、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア(R)硝子体内注射液40mg/mL」「アイリーア(R)硝子体内注射用キット40mg/mL」(一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え))について、バイエル薬品が申請していた網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫の適応で承認を取得したことを共同で発表した。
今回の適応は、すでに承認されている膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫に加え、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に伴う黄斑浮腫が含まれる。同剤はこのほかに、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(滲出型加齢黄斑変性)、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫の適応で承認を取得している。
RVOは、光を感じる網膜において、血流が阻害される疾患。CRVOでは網膜視神経乳頭内の中心静脈に閉塞が起きるのに対して、BRVOでは中心静脈から枝分かれした静脈分枝に閉塞が起きる。網膜静脈(中心静脈または静脈分枝)の閉塞が解消しない限り、さまざまな随伴症状が生じる恐れがある。
15文字以上の視力改善、アフリベルセプト群は52.7%
RVO患者における視力障害の最大の原因は、随伴症状の1つである黄斑浮腫であり、黄斑浮腫では、微細なものを見る上で重要な役割を果たす網膜の中心域にある黄斑部に腫れやむくみが生じる。
今回の承認は、日本も参加した、BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者を対象とした二重遮蔽、無作為化、比較対照第3相臨床試験(VIBRANT試験)の良好な結果に基づくもの。VIBRANT試験の主要評価項目は、24週目においてベースライン(治療前)から最高矯正視力(BCVA)で15文字以上の視力改善が見られた患者の割合だった。
その結果、現在の標準治療であるレーザー治療を受けた群では26.7%であったのに対し、アフリベルセプト2mgを4週ごとに投与された群では52.7%だったという。さらに、アフリベルセプト投与群は、主な副次評価項目を達成。ベースラインからのBCVAの視力改善はレーザー治療群では平均6.9文字であったのに対し、アフリベルセプト投与群では平均17.0文字だったという。
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・バイエル薬品株式会社 プレスリリース